「障害者・健常者 逆転インタビュー ONLINE WORKSHOP」レポート

 

障害者からトコトン問い詰められて

はじめての気づきがたくさんあった

 

PLAYERS では4月から新たに「視覚障害」をテーマにしたプロジェクトが始動し、オンラインリサーチを進めています。

障害者などこれまでデザインプロセスから除外されていた人々を上流から巻き込んでいく、「インクルーシブデザイン」という手法がありますが、「インクルーシブデザイン」のワークショップはどうしても、健常者が障害者に「困りゴトなんですか?」と問い詰める形になってしまう… それを変えるべく、2019年はMicrosoftさんと「障害者が熱狂する」をテーマにワークショップを開催してきました。 

DIVERSITY WORKSHOP:視覚障害者が熱狂するエンタメコンテンツを共創する ムービー

DIVERSITY WORKSHOP:聴覚障害者が熱狂するエンタメコンテンツを共創する ムービー


また、コロナ禍におけるオンラインワークショップの取り組みとして、「視覚障害 × グラレコ ONLINE WORKSHOP」を実施したところ、「オンラインだと障害の有無に捉われずにフラットに対話できる」という発見がありました。

「視覚障害 × グラレコ ONLINE WORKSHOP」レポート



そこで今回は、「障害者・健常者 逆転インタビュー ONLINE WORKSHOP」として、「視覚障害者がファシリテーターをつとめ、視覚障害者が晴眼者にインタビューする」という、これまでの立場を逆転させたワークショップをオンラインで実施しました。

参加者は視覚障害者5名・晴眼者9名の計14名。ワークショップではまず視覚障害者だけで、「困りゴトなんですか?」と質問される事についてどう感じている? 晴眼者に聞いてみたいコトは? を対話(晴眼者はマイクOFFで聞いている)。その後、グループに分かれてメンバーをシャッフルしながら、視覚障害者から晴眼者に聞いてみたいことを自由に質問していってもらいました。


視覚障害者から晴眼者への質問(抜粋)

Q. 街中で視覚障害者に声を掛けたことはありますか? ない場合は理由を教えてください。

Q. 障害者は「かわいそうな人」だと思いますか?

Q. 視覚障害者に「聞いちゃいけないと思うこと」を教えてください。

Q.「きれい」「かわいい」「かっこいい」は何で判断しているのですか?

Q. 視覚障害者からプロポーズされたらどうしますか?

Q. 視覚障害が子供に遺伝することが分かりました。どうしますか?


どれも答えに詰まる、当事者を前にどう答えたら良いか悩んでしまう質問でした。(これまでは視覚障害者側にこの体験をさせていたのですね…) 対話していく中で徐々に心がひらき本音を話せていたのは、オンラインのお陰かもしれません。参加いただいた視覚障害者の感想をご紹介します。


視覚障害者の感想

● 快感でした! いつもは聞かれる側ですが、今回は晴眼者の本音が聞けた。ぜひ多くの障害者に関わって欲しいと思います。

●「聞いちゃいけないと思うこと」への晴眼者の回答が面白かった。逆に「晴眼者が視覚障害について話している所」も覗き聞きしてみたい!

● 普段は「見える人がどう感じているのか?」を考えた事がなかったので、すごく新鮮でした!

● ちゃんと司会できているか、楽しんでもらえているか不安になったので、次はもっと勉強して参加したいです!

● 楽しかったです! 視覚障害者側も本音が話せた気がします。他の身体障害ともやってみたいです。



これまで視覚障害について、アンケート・インタビュー・ワークショップ・実証実験などさまざまな方法でリサーチを行ってきましたが、それらとはまったく違う気づきの連続でした。特に、「質問される側」を身をもって体験できたのは、今後の活動において非常に大きな意味を持つ気がします。

協力してくれた視覚障害の皆さんもPLAYERSメンバーも全員が「またやりたい!」と言ってるので、コロナでStayHomeな状況を利用して「障害者と健常者がつながり、相互理解が進む場」をつくっていきたいと思います!!


以下、ご参考までに「障害者・健常者 逆転インタビュー ONLINE WORKSHOP」の概要です。 

 


 

目的

● 視覚障害者がファシリテーターをつとめることで、視覚障害者の本音を引き出す。

●「視覚障害者が晴眼者に質問する」ことで、これまでのリサーチとは異なる気づきを得る。


参加者

視覚障害者 5名・晴眼者 9名(PLAYERSメンバー)


ツール

zoom


プログラム(120分)

05 雑談

05 あいさつ・趣旨説明

30 視覚障害者だけで対話

・「困りゴトなんですか?」と質問される事についてどう感じている?

・晴眼者に聞いてみたいコトは?

05 晴眼者へのアンケート:街中で視覚障害者に声を掛けた事はありますか?

15 視覚障害者から晴眼者へインタビュー①

(グループ:視覚障害者1名・晴眼者2・3名 / 司会:視覚障害者)

15 視覚障害者から晴眼者へインタビュー②

(メンバーシャッフル / 晴眼者はビデオOFFで目をつむって対話)

10 休憩

15 15 視覚障害者から晴眼者へインタビュー③

(メンバーシャッフル)

15 視覚障害者だけで振返り

05 おわりの挨拶・ アンケートの案内

 


 

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PLAYWORKS Inc.|ともに創り、社会を前に進めよう

PLAYWORKS株式会社は、インクルーシブデザイン・サービスデザイン・ワークショップを活用した、新規事業・サービス・製品・組織開発を支援します。また、障害者など社会的弱者を対象としたサービス・製品を企画・開発・提供しています。 代表取締役 タキザワケイタ インクルーシブデザイナー・サービスデザイナー