視覚に障害がある人は世界で2.9億人います。また、今後は高齢化によって7億人にもなると言われています。視覚障害者の多くは単独での移動に困難を抱えており、外出を諦めてしまうことも少なくありません。この社会問題の解決に向け、世界中の企業・スタートアップ・大学・デザイナー・エンジニア・研究者などが、さまざまな取り組みを進めています。
今回はその中でも、テクノロジーを活用した「ハイテク白杖」をご紹介します!
ミズノ
ミズノケーンST
一般社団法人 PLAYERSと総合スポーツメーカーのミズノ株式会社は、軽量でありながらしっかり振ることができる白杖(直杖)「ミズノケーン ST」を、社会福祉法人日本ライトハウス、社会福祉法人日本点字図書館で発売します。コンセプトメイキングに強みを持つプロトタイピングチーム PLAYERS の共創力と、カーボン技術をはじめとするミズノの技術力が結集した製品であり、両社の共同企画は初めてとなります。
「ミズノケーン ST」はゴルフクラブやラケットなどの開発・製造で培ったカーボン設計・加工技術を活用し、軽量でありながら振り心地が良く、地面を捉えやすい機能性を追求しています。 持ち手に近い手元側を堅くすることで、地面の凹凸を感じやすい設計を採用しています。地面と接地する先端部にはティアドロップ型の石突を採用することで、路面のひっかかりを抑制しています。
https://www.players.or.jp/post/220315
WeWalk
WeWALK
一見普通の白杖のように見えるが、Bluetoothを通じてスマホアプリと接続することで、Googleマップと連動しナビ(道案内)機能や検索機能を利用することができる。入力はタッチパッドの他に音声入力も可能で、行きたい場所をWeWALKに向かって話しかければ、内蔵スピーカーで目的地まで案内してくれる。また、近くのお店や公共交通機関などの情報も教えてくれる。さらに高機能センサーを搭載し、障害物が近づいたときに、バイブレーションで危険を知らせてくれる機能も搭載している。
京セラ
視覚障がい者歩行支援システム
京セラが保有する技術であるRFIDならびに振動・音声による情報伝達技術を組み合わせた「スマート白杖(はくじょう)」と、駅ホームや列車の連結部にパッシブRFタグを設置し、「スマート白杖」が同タグの受信範囲に入ると、歩行者に手元の触覚伝達技術を通じて、危険を知らせる仕組みを開発しています。
https://www.kyocera.co.jp/news/2020/0201_kdoe.html
アメディア
電子白杖 スマートケーンSC1
スマートケーン装置は、折り畳み白杖の上の部分に装着され、その自然な延長として機能します。本装置をもって歩いている人から3mまで離れた、膝より高いところにあるものと上からかかる物を検出することによって、白杖の制限を克服します。安全な距離からこのような障害物について判断するためには、その早期な検出が重要です。 白杖と比較すると、検出距離が0.5mから3mに増加します。実際に杖で障害物に触れる前にその存在を知らせてくれます。 これは、発作ない衝突を避けるのに役立ちます。これで社会的に恥ずかしい状況(人との衝突ごみの山との衝突など)や危険な状況(動物との衝突)を避けることができます。 また、上からかかる木の枝、開いている窓、出っ張るエアコン、駐車中のバスやトラックなど、膝より上にある障害物を検出します。そのような障害物との強い衝突によって起こりうる怪我を避けるのに役立ちます。スマートケーン装置は、超音波を使って道にある物体を検出し、 異なる振動パターンの形で触感的出力を生成します。 上記の振動パターンは、距離情報を知らせ、ユーザーがそれらの物体について安全な距離から判断できるようにします。 移動に通常白杖を使う視覚障碍者であれば、だれでも、簡単な指導とトレーニングだけで、本装置を利用することができます。
https://www.amedia.co.jp/product/walking/cane/white-cane/SC1.html
マリス creative design
seeker
眼鏡に組み込んだカメラでホームの点字ブロックを検知し、危険な状態と判断すれば視覚障害者が持つ白杖を振動させる。駅の騒音などで聞き逃すことがあるとの視覚障害者の声を受け、振動する装置を白杖に装着。専用の眼鏡と無線でつないでいる。真っ暗でなければ、夜でも使える。探求者などの意味を込め「seeker(シーカー)」と名付けた。実験では、点字ブロックに向かって直角に近づくと、ホームの端から1・5メートルほどの距離で白杖が振動。一方、点字ブロックに並行して歩くと同じ距離でも誤作動しなかった。今後は、道路の信号を認識する機能も追加する予定。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000073897.html
バージニア・コモンウェルス大学
ロボット白杖
ロボット白杖には3Dカメラとセンサーのほかに、目的地まで道中の障害物を回避しながら利用者を導くためのコンピューターが搭載されている。このロボット白杖には、出入り口や階段、歩行を妨げる可能性のある張り出し部分などの形状だけでなく、それらまでの距離も把握することのできる高性能で小型の3Dカメラが追加。このカメラから得られた情報とセンサーのデータを利用することで、ロボット白杖に搭載されたコンピューターが利用者を正確に目的地まで導き、道中に障害物があれば注意を促すことができる。
スタンフォード大学
The Augmented Cane
自動運転機能を持つ白杖、米スタンフォード大が開発 センサーで障害物を検知し、車輪で誘導。白杖の手元には4種類のセンサー、先端には左右に回転する車輪を搭載。周囲の障害物を検知し、車輪を回転させることでユーザーをナビゲーションする。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/02/news032.html
大阪市立大学
Guide Cane
杖:利用者はこれを押して進みます。白杖では、握りの部分もまっすぐな直杖が一般的ですが、ひねりがわかりやすいようにT字の杖です。体を支えることはできません。車輪:車輪は二つついています。自動車の前輪二つのような形です。車輪は空転するだけで駆動はしません。モータ:ステアリングを切るためにモータがついています。ステアリング量をハンドルのように杖に伝えるのも同じモータです。ブレーキ:危険なときはブレーキがかかります。ブレーキがかかったことを利用者に伝え、歩くのを止めてもらうためのブレーキです。センサー:レーザーで周囲までの距離を測るセンサがついています。壁や障害物を認識することができます。実用化までには、地面の段差を測定するセンサや、顔の前の障害物を検出するセンサが増えていく予定です。カメラ:周囲の人や人の流れを検出します。現在、検出方法を改善して行っています。コンピュータ:あらかじめ地図や移動経路のデータを入れておきます。将来的にはクラウドから必要に応じてダウンロードする形になる予定です。
https://www.guidecane.jp/index.php
ラフバラ大学
Theia
みなさんいかがでしたでしょうか? 商品化させているものから、開発中のものまで沢山の取り組みがありますが、これらによって視覚障害者が暮らしやすい社会が少しでも実現されることを期待しています。また、PLAYWORKS でも引き続きご支援していきます!
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