聴覚に障害がある人は世界で4.7億人います。そして、今後は高齢化により増加傾向にあると言われています。聴覚障害者の多くは社会生活におけるコミュニケーションについて、困難さを抱えています。この社会問題の解決に向け、世界中の企業・スタートアップ・大学・デザイナー・エンジニア・研究者などが、さまざまな取り組みを進めています。
今回はその中でもテクノロジーによる問題解決にチャレンジしている、サービス・プロダクト・アプリを【 声 】【 音 】【 手話 】【 筆談 】に分類してご紹介します!
【 声 】
xDiversity
See-Through Captions
話し手の音声を音声認識によって文字に変換し、聞き手との間にある透明ディスプレイにリアルタイムでテキスト表示するシステムです。窓口や受付などの1対1の対面コミュニケーションにおいて、相手の表情やボディーランゲージを確認しながらコミュニケーションを図ることができます。
https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/2021/02/see-through-captions/
京セラ
わかりやすい字幕表示システム
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、「新しい生活様式」としてマスク、アクリル板、ビニールカーテンなどが多用され、「声が聞こえづらい」「口元が見にくい」といったコミュニケーションの障壁が生まれています。音声をリアルタイムに認識し、アクリル板などに透明スクリーンを貼付して字幕として表示することで、会話の聞き取りづらさを解消するシステムです。
https://www.kyocera.co.jp/newsroom/news/2021/001696.html
ソースネクスト
ポケトークmimi
耳の遠い方と、そのご家族に。ソースネクストの「ポケトークmimiシリーズ」は、耳の遠い人との会話を楽しく、快適にするAIボイス筆談機です。通訳機 ポケトークの音声認識テクノロジーから生まれ、進化し続けています。個人のお客様はもちろん、高齢者福祉施設や、 障害者雇用をされている企業20社以上ですでに利用されています。
NTTドコモ
みえる電話
通話相手の言葉をリアルタイムで文字に変換し、スマートフォン画面に表示する画期的なサービスです。通話相手の言葉を聞き取るのが難しいと感じている方に便利にご利用いただけます。また、文字を入力して相手に音声で伝える機能もございます。聴覚に障がいのある方(ろう者・難聴者)、ご高齢の方にも、24時間いつでも便利にご利用いただけます。
https://www.nttdocomo.co.jp/service/mieru_denwa/
リコー
Pekoe
「Pekoe」は手軽に使えて、会議に参加している誰もがブラウザ上で音声認識結果を見ることができ、誤変換をその場で修正できるクラウドサービスです。常に最前面にウインドウが表示されるため、他のアプリケーションによりコミュニケーションが遮断されることはありません。チャット機能も備えており、「Pekoe」の画面を会議資料と同時に表示させて画面共有することで、「Pekoe」の中だけで双方向コミュニケーションが可能です。
https://accelerator.ricoh/2021/11/11/pekoe-trial/
Shamrock Records
UDトーク
UDトークはコミュニケーションの「UD=ユニバーサルデザイン」を支援するためのアプリです。「音声認識+音声合成」機能を使って視聴覚障害間コミュニケーション、「多言語音声認識&翻訳」機能を使って多言語コミュニケーション、「漢字かな変換や手書き」機能を使って世代間コミュニケーション、UDトークは3つのコミュニケーションを実現します。1対1の会話から多人数の会話や会議まで、オンラインでもオフラインでも使い方次第で幅広く様々な方とのコミュニケーションに活用することができます。
【 声・筆談 】
三菱電機
しゃべり描き
「しゃべり描き®UI」は、外国語や手話ができなくても外国人や聴覚障がい者との円滑なコミュニケーションを実現するタブレット・スマートフォン向けアプリです。好きな場所に絵を描くように、話した言葉を指でなぞった軌跡に表示することで、筆談より手軽で直感的な操作ができます。また、お絵かきや画像と組み合わせて表示できるので、文字だけに頼らない分かりやすい表現が行えます。さらに、多言語翻訳により、外国人ともより楽しくより深く想いを伝え合うことができます。このように、しゃべり描き®UIは音声認識技術を活用した次世代のコミュニケーションツールです。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/randd/list/design/advanced/b212/
FEAT
SpeechCanvas
SpeechCanvas(スピーチキャンバス)は、聴覚障害者と健聴者との会話を、音声認識技術を使って強力にサポートするアプリです。話した言葉が次々と画面上に、ふりがな付きで文字となり、画面を指でなぞれば絵や字がかけます。操作がシンプルでわかりやすいので、どなたでも簡単に使えます。インターネットがつながらなくても音声認識してくれるので、いつでもどこでも安心です。公共機関の窓口応対や店頭での接客サービスのほか、職場や学校、ご家庭など、生活のさまざまなシーンでお使いいただけます。
【 音 】
APPLE
サウンド認識
iPhoneでサウンドを認識する。赤ん坊の泣き声、ドアベル、サイレンなど、特定のサウンドをiPhoneに継続的に聞き取らせて、認識したときに通知を送信させることができます。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iphf2dc33312/ios
音検知通知
スマートフォンの音検知通知をオンにする。音検知通知を使用して、家の中の出来事を知ることができます。音検知通知をオンにすると、煙警報のビープ音やドアフォンのベルが鳴った場合など、聞き逃したくない音をスマートフォンで常時検出できます。
https://support.google.com/accessibility/android/answer/10092548?hl=ja
情報技術開発
Sound Display
Sound Display(サウンドディスプレイ)は、身の回りの音を認識して、ユーザーに通知してくれるスマートフォンアプリです。 AI・スマートデバイス・クラウドをフル活用し、より良い社会の実現を目指しています。 ろう者、難聴者、高齢者など、聴覚障がい者が感じる日常生活や就労時の不自由さ・身の危険を解消し、社会参加しやすい環境づくりのお手伝いをします。
https://www.tdi.co.jp/sound-display/
サウンドファン
ミライスピーカー
ミライスピーカーは、「蓄音機の出す音は難聴者に聞こえやすい音だ」という発見を元に開発された曲面形状のスピーカーです。距離が離れた場所でも音量が減衰しないエネルギー波の高い音を出すことができ、聴こえづらさを解消するスピーカーです。
富士通
Ontenna
Ontenna(オンテナ)は、髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付け、振動と光によって音の特徴をからだで感じる全く新しいユーザインタフェースです。 ろう者と健聴者が共に楽しむ未来を目指し、ろう者と協働で開発しました。
富士通
エキマトペ
聞こえないを、聴けないにしない。そんな想いから生まれたのが「SOUND HUG(サウンドハグ)」です。抱きかかえることで、音楽を視覚(光)と触覚(振動)で楽しむことができる音楽装置。聴く音楽から、感じる音楽へ。さぁ、新しい音楽の楽しみ方のはじまりです。
https://pixiedusttech.com/soundhug/
Palabra
UD Cast
UDCast(ユーディーキャスト)とは、字幕や手話の表示、音声ガイド再生等を行うことのできる無料アプリケーションです。映画や放送番組、Web動画、演劇やパフォーマンス、展示施設等のあらゆる文化芸術を、障害や言語の壁を越えて誰もが楽しめるものにすることを目的としています。
【 手話 】
日本財団
電話リレーサービス
電話リレーサービスとは、聴覚や発話に困難のある人と、きこえる人との会話を通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができるサービスです。令和2年6月、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和2年法律第53号)」が制定(同年12月1日施行)され、公共インフラとしての電話リレーサービスが制度化されました。
ソフトバンク
SureTalk
手話ユーザーと音声ユーザーのコミュニケーションをより円滑にするサービスです。手話と音声をリアルタイムでテキストに変換し、画面を通して会話ができます。
https://www.suretalk.mb.softbank.jp/
ソフトバンク
ゲームで学べる手話辞典
「ゲームで学べる手話辞典」は、実際の人の動きで作られた豊富な辞典と楽しいゲーム機能で、手話をわかりやすく楽しみながら学べるアプリです。
https://www.softbank.jp/mobile/service/shuwa-jiten/
NHK
手話CG
「手話CG」は、NHK放送技術研究所が開発を進めているもので、単語1つ1つについて、実際の手話の動きを取り込んで(モーションキャプチャ)、コンピューターグラフィックス(CG)化したものです。 現在およそ7,000語を作成しています。
https://www2.nhk.or.jp/signlanguage/sp/index.cgi
手話タウン
「手話タウン」は、手話が公用語の架空の町を舞台に、手話を駆使しながらアイテムを集めていくオンラインゲームです。言語は英語・日本語・中国語(繁体字)から選ぶことができ、学ぶ手話言語は日本手話と香港手話から選ぶことができます。日本手話の収集は関西学院大学手話言語研究センターに協力いただきました。学習者は、カメラに向かって実際に手話でアイテムを指示しながら、旅行に備えて荷物をまとめたり、宿泊するホテルを探したり、カフェで食べるものを注文したりと、様々なテーマに合わせた手話をゲーム感覚で学ぶことができます。
【 筆談・手話 】
PLAYERS・PLAYWORKS・Microsoft
WriteWith 顔が見える筆談アプリ
みなさんいかがでしたでしょうか? 実用化させているものから、開発中のものまで沢山の取り組みがありますが、これらによって聴覚障害者が暮らしやすい社会が少しでも実現されることを期待しています。また、PLAYWORKS でも引き続きご支援していきます!
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